各旅行代理店や航空会社が出している「旅行積立」というサービスをご存じでしょうか?
その名の通り旅行資金を積み立てるサービスで、通常の銀行預金よりもかなり利息が高くお得だという声が多く利用している人も多いことでしょう。
しかしこの「旅行積立」は、ネットで旅行をアレンジしている人にとってはかなり「損」になってしまう場合も多いので注意が必要です。 ここでは旅行積立を利用するかどうか迷っている人のために、ファイナンシャルプランナーでもある私が損をしてしまうパターンについて説明していきたいと思います!
Contents
「旅行積立」とは?
旅行積立は銀行預金に近い金融サービスであり、特徴としては
・一定期間積み立てる「定期」といつでも出し入れできる「普通」がある
・金利(利息)が銀行預金に比べて非常に高い
というメリットが挙げられます。
これに基づいて
「必ず旅行に行くなら絶対にお得!」
と一部の旅行好きからは指示を得ていますが、一方で
・積み立てたお金はその代理店(航空会社)でしか使えない
・途中解約した場合は元本割れのリスクがある
といったデメリットもあり、利用には注意が必要といえます。
旅行積立はどのくらいお得か?
旅行積立は設定している代理店によって様々なプランがありますが、どのようなプランを使ったとしても金利(利息)は年間で1%~3%程度と、銀行預金の数千倍にものぼります。確かにこれを見ると銀行で旅行資金を積み立てるのがばからしく思えるのもうなずけますね。
例えば1年間で30万円の資金を積み立てたとすると、
利息分は(2%とすると)「6,000円」となり、かなりお得に感じます。
なお、旅行積立の特徴としては銀行預金とは違って期間が短いほど金利は高くなる傾向があるという点です。銀行は長くお金を預けてほしいですが、旅行代理店は短いスパンで使ってほしいからこのような違いが生まれるのですね。
ちなみに最高利率を調べると、過去にはHIS(10周年記念)で利率8.4%のキャンペーンがありましたが申込すら難しく即終了したようです。
「ネットで予約派」のお得分にはかなわない

しかし、HISやJTBなどの旅行代理店を使わず、ネット(比較サイト)を駆使して安く旅行に行くことに長けている人であれば、旅行代理店で「30万円」の旅行を自分で6,000円以上安くプランすることがいかに容易いことかが分かるはず。
旅行積立は多少の資金こそ増えますが、その代理店を使わなければならないというデメリットゆえ、ネットでの旅行アレンジに比べると結果的に高くついてしまうのです。 つまり普段ネットを使って安く旅行をしている人が利息につられて「旅行積立」を始めてしまうと結果的には多くのお金を使ってしまうことになりますので注意が必要ということです。
「旅行積立」を使うとお得な人と注意点
逆にいうと普段から利用する旅行代理店が決まっている人であればその会社の旅行積立を利用するといつもよりお得に旅行が出来ます。
決まった旅行代理店で定期的に旅行に行く
という人にとっては、旅行積立が有利に働くということですね。
しかしこの場合も注意したいのは「端数」についてです。
旅行代金というのはきっかり積み立てた金額を使い切るということは少ないですよね?ということは毎回旅行ごとに必ず使い残しの「端数」のお金が発生するということになります。 もちろん次回の旅行に回しても良いのですが、余っているからと余計なオプションなどに使ってしまっては節約の観点で本末転倒となってしまいます。
ネット予約派は「旅行積立」を使わないほうが良い! 他の方法を考えよう!

というわけでまとめると「ネット予約派」は旅行積立をどれだけ活用しても今よりもお得に旅行に行くことは難しいといえるでしょう。それであればネットで格安のキャンペーンを待つほうが賢い選択です。 使い道や代理店が限られる旅行積立よりも、NISAやiDeCoなどの資産運用や節税、株主優待の活用で旅行資金をつくる方法を考えてみてはいかがでしょうか? (こちらについて詳しくは下記の「あわせて読みたい」からどうぞ!)
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