バリ島の歴史を知ろう!

バリ島

日本からの旅行においては常に人気上位にランクインしているバリ島。
直行便で7時間程度と行きやすいのはもちろん、美しい海とアクティビティ、物価も安く魅力いっぱいのアジアのビーチリゾートです!
インドネシアに属し、明るい人たちに溢れるこの島にも、壮絶な歴史があることをご存知でしょうか?
バリ島旅行に行く前に、ぜひその歴史を知っておけば見方も変わってきますよ!

バリ島の成り立ち

バリ島はインドネシアの首都ジャカルタのある「ジャワ島」のすぐ東に位置しており、このジャワ島と時を同じくして発展を遂げていきます。
「ジャワ原人」が見つかっていることから、人類の歴史とジャワ島の歴史はほぼ同じタイミングで始まったといえます。また、中国の文献によると紀元前1世紀から中国やインドとの交易があったと考えられるため、仏教やヒンドゥー教の影響を大きく受けたジャワ島の文化がバリ島にも伝播していったと考えられています。

ジャワ島に左右されるバリ島の歴史

西暦1000年ごろからジャワ島を治める王朝はコロコロと入れ替わります、この征服をめぐるゴタゴタは16世紀ごろまで続きますが、それによってジャワ島を追われる人たち(貴族や僧侶、工芸職人)がどんどんとバリ島に逃げていき、それらの人たちが持ち寄った宗教や文化が現在のバリ島の文化の基礎となっています。
現在、バリ島に数多くある仏教寺院も、この頃にジャワ島から訪れた僧侶により建てられたものが多く、有名な「タナロット寺院」や「ウルワツ寺院」もこの頃に高僧ダン・ヒャン・ニラハタによって建てられました。
17世紀には各地の貴族が王国を興しバリ島には8つの王国が出来ますが、この王国がバリ州の7つの県となっています。(1つの国は消滅)

オランダによる植民地時代とププタン

一方で大航海時代の1596年に初めてオランダの船がジャワ島に上陸し、少しずつ植民地化を進めていました。インドネシア諸島は少しずつオランダの東インド諸島として征服されていき、19世紀後半になるとバリ島にもオランダの植民地化は侵食し、各地の王を次々と支配下にしていきます。
この時にオランダ軍に降伏することなく最後まで抵抗する「ププタン」が生まれました。
バリ語で「終焉」を意味するこの言葉は、オランダ軍に囲まれながら王宮に火を放ち、オランダ軍に向かって全員が死ぬまで行進していくその異様な光景から、「死の行進」とも訳されました。
各国のププタンは今でも記念碑などの形で残っており、オランダの征服後もバリ島の伝統文化を保全するための大きなきっかけとなりました。

バリ島の観光地化と芸術

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植民地となった後のバリ島は平和を取り戻し、オランダによりヨーロッパにバリ島が観光地として伝えられ、多くの観光客がバリ島を訪れるようになります。
この頃に芸術家も多く訪れ、バリ島に滞在しながら西洋芸術を残し、現在の「ウブド芸術」としての文化に大きく貢献することになります。
アジアにある観光地でありながらこのようにヨーロッパからの観光客が多く訪れたためバリ島は独特の文化形成をしていったというわけです。
また、この頃にはバリ島に大地震(1917年)やスペイン風邪の流行など(1918年)災害が次々に訪れますが、人々はそれを神の怒りだと考えて収めようと寺院の修復や祭りとしての舞踊を多く行い、これがバリ舞踊やガムラン音楽としてバリ芸術の確立に大きく繋がっていくことになりました。

日本の侵攻とインドネシアの独立

平和な観光地時代もつかの間。
第二次世界大戦のなかで、日本がバリ島に侵攻しわずか20日でオランダ軍は全面降伏し、日本軍によるバリ島の統治が始まります。
しかし当時の日本は小磯首相による「小磯声明」にもあるように、インドネシアの独立容認の姿勢をとり、これによりインドネシア国内でも独立の機運が高まります。
その結果、1945年にスカルノ氏がインドネシア独立を宣言します。
翌年にはオランダ軍が改めてこの地を取り返すためにバリ島に上陸し、ゲリラ戦が勃発します。
この時、まだバリ島にいた日本軍とバリ島のングラ・ライ中佐の合同軍がオランダ軍と戦い全滅します。
この歴史からバリ島やインドネシアでは日本に対する好意的な感情を持つ人が多く、この時に戦死したングラ・ライ中佐も今でも英雄として扱われています。
その後、独立したインドネシア共和国にバリ島も組み込まれますが各地でテロやクーデターが絶えない時代が続き、ようやく平和を取り戻したのは2000年を過ぎてからとなります。

平和を取り戻し人気急上昇の観光地へ

テロが落ち着くと、もともと観光地としての魅力をたっぷり抱えるバリ島には当然のごとく世界各国からの観光客が復活しました。
バリ島は本当に最近まで、激動の時代を歩んでいたんですね。
訪れる際には多くの犠牲と波乱の上に成り立っている魅力的な海に、思いを馳せてみるのもいいでしょう。

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