海外での両替所の手数料の計算方法をわかりやすく解説!

海外旅行に行くと、両替を現地で行うという人も多いと思います。
実際に日本国内の銀行や空港はかなりの「ぼったくりレート」での両替となりますし、クレジットカードも海外での利用は手数料がかかるため、結局現地の両替所を使うのが最もお得ということも多いです。
しかしその両替所のレートがお得かどうか、手数料はいくら取られるのかはどのように計算できるのでしょうか?
ここでは(こう見えても)金融機関でガッツリ働いてきた私が、両替所が掲げている為替レートを見てざっくりと手数料を計算する方法を解説したいと思います!

チェックすべきは掲げられた「為替レート表」のみ!

その両替所がお得かどうかの判断は、両替所に掲げられた下のような「為替レート表」を見れば計算することができます。

街中の両替所に掲げられた為替レート表

その国の通貨と日本円をいくらで交換してくれるかというレートになりますが、基本的には「1円=◯◯通貨」のレートで出されていることがほとんどです。

つまり1万円を両替する場合は出されているレートを×10,000した通貨が手に入ります。

注意したいのはレートが「buy」「sell」の2種類ずつ記載されている点です。
「sell」は銀行がその通貨を「売る」レート、つまりこちらが日本円を払って外貨を受け取るレートとなります。
反対に「buy」は銀行がその通貨を「買い取る」レート、つまりこちらが外貨を払って日本円を受け取る時のレートになります。(日本人であれば帰国するときに余った外貨を両替する時のレートですね)

それぞれ、実際の為替レートにその両替所が手数料を乗せた額がこの「buy」および「sell」のレートとなっているわけです。
この「buy」と「sell」のレートがわかればおおよそ、その両替所の手数料を計算することができます。

手数料を計算する3つのステップ

では実際にこの「buy」レートと「sell」レートを使って手数料を計算してみましょう。
ここでは例として「タイバーツ」の両替所をもとに進めますが、どこの通貨でも単位が異なるだけで計算方法は同じです。

【手順1】「buy」と「sell」の平均値「センターレート」を出す

まずはその両替所のレート「buy」と「sell」のレートを足して2で割ります。
それにより平均値(センターレートといます)を算出します。
例えばこのようなレート(タイバンコクの街中の両替所)が掲載されていた場合、


(0.2587[buy]+0.2872[sell])÷2=0.27295

となり、この時のセンターレート(手数料なしレート)はおよそ0.27295と計算できます。
※厳密には「buy」と「sell」で同じ手数料率ではないことがあるため、若干ずれている可能性もあります。

【手順2】平均値と掲載されたレートの差を計算する

センターレートがわかったところで、次に実際のレートとそのセンターレートの差を計算します。

日本円から外貨に両替する場合は「sell」のレートが適用されるので先ほどの場合だと

(【手順1】で計算した)センターレート:0.27295
掲載されている「sell」レート:0.2587
0.27295−0.2587=0.01425


となります。
つまりこの両替所は1円につき「0.01425バーツの手数料」をとっているという計算になります。

【手順3】手数料額をセンターレートで割って手数料率がわかる!

最後に、【手順2】で算出した「手数料額」ではわかりにくいのでこれを「手数料率」に換算します。
単純に【手順1】で算出したセンターレートで割れば出来上がりです。

【手順2】で算出した手数料額÷【手順1】で算出したセンターレート
0.01425(バーツ)÷0.27295=0.052…(=5.2%)

※少数を%に直す時は100をかけましょう

というわけでこの両替所の手数料はだいたい「5.2%」の手数料率ということがわかりました。(ちなみにタイバーツとしてはかなり高い水準です)
1万円を両替したら520円くらいは手数料として取られているという計算になりますね。
これでその両替所の手数料計算は完了です。

結局その「手数料率」は高いのか?安いのか?

「手数料率」を算出できたのは良いですが、肝心のそれが高いのか安いのかが判断できなければ意味がありませんよね。
妥当な手数料率は国によって違いますので一概に言うことはできません。
例えば、ドルやユーロなど主要な通貨は1%程度で両替できる一方でタイバーツなど少しレアな通貨であれば3%程度と少し高い水準になります。
(いずれにしても日本の空港などでは平気で10%近い手数料を乗せてくるので現地両替がいかにお得かがわかります)
現地で複数の両替所を比べてみると、よりどちらが安いかは判断できますが、主要通貨の街中の為替レートは下記が妥当な水準(これくらいならまぁ許せる水準)となりますので参考にしてください。
アメリカドル:1%
ユーロ:1%
ポンド:2%
オーストラリアドル:2%
マレーシアリンギット:2%
タイバーツ:3%

妥当かどうかよくわからない場合は分散して両替を

慣れない国だと、その両替の手数料を算出できても、それが安いのか高いのかよくわからないかもしれません。
そんな場合は一気に大金を両替せずに、まずは比較的安そうな場所で必要な分を両替しておき後でまた分けて両替することで、高い手数料によって損をしてしまうリスクを減らせます。
何回か両替していれば妥当なレートもなんとなく掴めてきます。
海外では、現地の両替所をうまく使ってお得に旅行を楽しみましょう!

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