筋トレの消費カロリーはどれくらいか?

ジム

普段から日常的にトレーニングを行なっている人以外にも、ダイエット中の運動として筋トレを取り入れる人も多いことでしょう。
カロリー計算が非常に重要なダイエットにおいては筋トレで消費するカロリーも当然把握しておきたいところです。
また、ジョギングなどの有酸素運動と比べて、カロリー消費において筋トレの優位性はどのくらいあるのか知っておきたいところです。
種目も多く、運動後の効果が高いため、シンプルには表現されにくい筋トレの消費カロリーについて解説していきます!

筋トレにおける消費カロリーは「トレーニング自体によるもの」+「運動後の代謝によるもの」の合計

まず重要な点としては有酸素運動と異なり、筋トレにおいてはその運動で消費されるカロリーだけではなく、トレーニング後に発生する「アフターバーン効果(EPOCともいいます)」によってトレーニング中以外にも消費カロリーが増える現象が起きます。
運動自体の消費カロリーは「無酸素運動」である筋トレにおいては思っているほど消費されませんので、有酸素運動の方が効率的に見えてしまい、「ダイエットといえば有酸素運動」と考えられがちですが、「アフターバーン効果」をトータルして考えると筋トレによる消費カロリーはかなりダイエットに有効になります。
筋トレでどのくらいのカロリー消費が行われるのかを考える際にはトレーニング自体での消費カロリーと、その後の代謝アップによる効果を合わせて考える必要があるということです。

「筋トレ」自体の消費カロリーは200kcal程度

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ハードな筋トレは消費カロリーも高そうに見えますが、消費カロリーは運動をしている「実働時間」と「酸素消費」に大きく左右されるため、大きな力を短時間で発揮する「無酸素運動」がほとんどである筋トレにおいては実はあまり運動自体の消費カロリーは高くありません。
平均的な1時間程度のトレーニングであれば消費カロリーは

約200kcal程度

と考えられるでしょう。
もちろん一口に「筋トレ」といっても、その種目は無数にあり使う筋肉も異なるため消費カロリーはバラバラです。
例えば下半身には全身の筋肉の7割があるといわれていますが、その下半身の筋肉を総動員する「スクワット」と、腕の一部の筋肉のみを使う「ダンベルカール」では、同じ時間トレーニングを行なっても、消費するカロリーは異なります。
とはいえ、どのような種目でも無酸素運動である限り極端に消費カロリーが大きい種目はあまりありませんので、どのようなトレーニングであっても

150〜250kcal程度

と考えておけば良いと思います。

なお筋トレのメニューに限らず、各運動の消費カロリーを詳しく算出したい場合には「METs(Metabolic Equivalents)」という単位を使います。
「METs」は運動ごとにその強度を厚生労働省が定めたもので、

METs × 体重(kg) × 時間(h) × 1.05 = 消費カロリー(kcal)

という式で消費カロリーが算出されます。
各運動のMETsについては国立栄養・健康研究所のHPにある「メッツ値表」に記載されています。

「アフターバーン効果」での代謝アップは約150kcal

筋トレで消費したカロリーに加え、筋トレを行なった後に代謝が上がる現象「アフターバーン効果」によってプラスで消費されるカロリーが約150kcalあります。
これは主に、無酸素運動である筋トレによって酸欠状態になった体が回復する際に有酸素運動のように酸素を多く消費することでカロリー消費が高まる「EPOC(運動後過剰酸素消費量)」と呼ばれる状態で、それが発生する時間については4時間程度〜48時間程度と様々な研究があり明確には解明されていませんので、150kcal以上の効果が実はある可能性もあります。
もしこの「EPOC(運動後過剰酸素消費量)」が24時間続くとすると、毎日筋トレしている人は常に代謝が高い状態をキープできるということになります。
これが筋トレがダイエットにも適した運動といわれる大きな理由のひとつといえます。

筋トレによる消費カロリー合計は350kcal程度

以上の計算より、筋トレ自体の消費カロリーと「アフターバーン効果」により、一度の筋トレで消費カロリーは350kcal程度と計算できることになります。
もちろん性別や体格、筋トレの強度やアフターバーン効果の継続時間によって数字は変わりますが、有酸素運動を1時間行なった場合の消費カロリーが

ウォーキング(時速6km):約250kcal
ジョギング(時速10km):約500kcal

と計算できますので、消費カロリーで比較するとウォーキングより高く、ジョギングより低いレベルといえることになります。

筋肉量が増えることで消費カロリーの「底上げ」が可能!

ただし、筋トレにより筋肉量が増えるとその筋肉を維持するために「基礎代謝」が上がりますので、何もしていなくても消費カロリーの高い状態の体にすることができます。
厳密には筋トレを行うことで筋肉を含む脂肪以外の体重「除脂肪体重」が増えるのですが、この除脂肪体重が1kg増えることで基礎代謝は「28.5kcal」上がるといわれています。(国立スポーツ科学センターの発表)
これは安静時の消費カロリーのため、運動を合わせて行えばそれ以上のカロリーが1日に消費されることになります。
つまり、筋トレは有酸素運動レベルの消費カロリーを生み出すだけでなく、筋トレによって作られた体は基礎代謝が高くなっていくので、将来的に消費されるカロリーも含めてトータルで考えると圧倒的にカロリー消費に適した運動ということができます。

筋トレで未来の消費カロリーを上げよう!

まとめると、筋トレでの消費カロリーは

筋トレ自体の消費カロリー「200kcal」
+アフターバーン効果(EPOC)「150kcal」
+筋肉による基礎代謝の上昇

が見込まれることになります。
ダイエットのための運動はその運動自体の消費カロリーに目がいきがちですが、将来的にいい体を維持したいと考えるのであれば基礎代謝の上昇を狙った筋トレを是非、取り入れるようにしましょう!

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